3人とも、大笑いしてくれた。私の冗談を聞いたルー・ゾーは、コメディアンとし て負けてられないのだろう、すぐさまお返しをしてくれた。
「いやね、去年の秋、軍を首になったヤツがいるんだよ。その理由を知っているか」 「知らないよ!」
ウー・モーは、慣れた口調で、横から合いの手を入れる。
ルー・ゾーは銃を構える振りをして、「そりゃね、銃の撃ち方がヘタだったからだよ」
それを聞いて、私は、笑った。二〇〇四年一〇月、キンニュン首相(当時)が突然、 逮捕された。スーチー氏との対話路線をとっていたキンニュン氏はタンシュエ氏の不
評を買い、失脚したのだ。もともと兵士としてたたき上げのタンシュエ氏は、大学卒 で情報部出身のエリート官僚でもあるキンニュン氏とソリが合わなかった。実戦経験
のない(銃の撃ち方を知らない)キンニュンの失脚を皮肉った冗談である。
ウー・ゾーが、さらにウー・パパレイが次々に冗談を口にし始めた。
「ちょっと待って、その冗談。ビデオに撮って公開してもいい?」
「もちろんだ!」
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