ビルマの首都ラングーン(ヤンゴン)から、夜行の乗り合いバスで約八時間。朝六時、カレン州の州都パアンに到着。知人を通して、現地の政府関係者に話を聞く。
「外国人が行けるのは、タマニャまでかな。以前、日本の放送局がジャイン橋の手前まで行ったが、やはり橋を越えることはできなかった。許可が下りなかったんだ。橋の向こう側はまだ戦闘地区だからね。行くつもり?あちこちにチェックポイントがあるから、無理だ。やめた方がいいよ」
翌日、小型のピックアップバスに乗り込む。約四五分で、パアン郊外のタマニャ山に到着。ビルマ国内で最も有名なお坊さん、タマニャ高僧(昨年末逝去)が住んでいた丘陵地帯だ。タマニャ山の麓の僧院周辺には、参拝客目当てのバイクタクシーが数台たむろしている。
「六〇〇〇チャット(約七〇〇円)で、明日、バイクを一日貸してくれない?」 一番まともそうなバイクを持っている運転手に話しかけた。
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