タイ側のメソット郊外には、台湾や香港資本の縫製工場が七〇近く稼働している。人件費の安いビルマ人の出稼ぎ労働者を頼っているのだ。
〇五年四月、ビルマ側の町ミャワディから車で北に約三〇分。人口二万人に膨れあがった新しい町ココを訪れてみた。カレン人中心の町である。道路も舗装整備され、驚いたことに、町の中には電気が引かれ、幹線道路には街灯がつけられているのだ。
「電気はタイ側から引いているのさ。この町は、SPDC、KNU、タイ政府のお墨付きだよ。将来的には、町の周辺にも工場を造っていくつもりだ」
ココの町のはずれに、四車線の大きな道路が整備中だった。
「『アジアハイウエー』が開通したとき、この町とまっさ先に結ぶ道路をもう準備しているのさ」
町を案内してくれたカレン人が自慢げに話す。
|