よく働き学ぶ子どもたち
−タイ国境近くのカレン族も武装−
『毎日中学生新聞』 4月21日(水)
タイとビルマの国境の山岳地帯には「少数
民族のカレン族が住んでいる。軍部が国を
支配するビルマでは、 国民や辺境の諸民
族が抵抗運動を続けており、 国内の紛争
は50年以上も続いている。 カレン族の人
たちも独立と民族自決を求めて武装闘争
を続けている。 7年間、 毎年カレン族のキ
ャンプを訪ね、彼らの暮らしを撮影してきた
フォトジャーナリストの宇田有三さんが報告
してくれた。
難民キャンプの朝は早い。夜が明ける前
から男はたきぎを切り、 竹を組んで家を作
る。子供や女性は川で水をくみ、大きな容
器を頭に載せて運ぶ。
明るくなるころ、 あちこちの家から子供た
ちの元気な声が聞こえてくる。前日に学校
で勉強したところを暗唱しているのだ。
授業は朝8時50分から午後3時まで。小
学校からビルマ語、カレン語、英語が必修
だ。 英語教育には特に力を入れていて、ど
の学校でも、 流ちょうに英語を話す中学生
や高校生がいる。
学校が終わると、子供たちは幼い弟や妹
の面倒をみたり、 豚や鶏の世話をしたり、
よく働く。そんな暮らしの中での楽しみは
「友だちとおしゃべりしているとき」と17歳の
女の子は言う。みんなで遊ぶこともある。
電気がないから、日が落ちるとキャンプは
暗くなる。 あちこちの家から聞こえてきた
子供たちの声も、 午後9時前には聞こえな
くなり、キャンプは眠りにつく。
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