[読売歌壇]
理想のみ求めて生きしわれ哀れ愚に生きる幸もありしを
日立市 後藤登美子 2002年2月17日
ほの温く自販機の吐きし銭を握り氷雨の駅に鈍行を待つ
茅ヶ崎市 長田正一
2002年1月13日
吾れよりも幸多しと思われぬ易者の前に手をさしのべぬ
東京都 行方 昇 1999年11月7日
[読売俳壇]
テロの眼や利益社会の虫の闇
花巻市 照井 勝浩 2001年10月21日
[朝日川柳]
戦争の定義を変えたテロリズム 福岡市 奥西 邦夫
背を押され急ぎ日の丸見せる案 生駒市 玉島 英二
微笑みの浮かぶ紙面が遠くなり 赤穂市 大黒 政子
[朝日歌壇]
「ナヌムの家」元慰安婦は別れ際長生きしてねとわが肩だきぬ
京都市 大沢ミヨ 2002年2月4日
幾度も請わるる募金に戸惑えば『テロ支持者』と揶揄飛び来るも
アメリカ 吉富 憲治 2001年11月11日
アフガンの難民のアメリカの空母のこと遠ければ批評のごときを弄す
大館市 小林 治夫 2001年10月22日
自爆テロ憎み恐るる今日なれど人間魚雷思えば涙
東京都 牟田 忠彦 2001年10月22日
「何もない夏だった」と書く子の日記でもきみの背は2センチ伸びた。
龍野市 白石 道子 2001年10月1日
国守る使者の過半が飢餓死ともレイテに果てし学友の影
武蔵野市 雨宮 孝 2002年6月10日
船と共に数百人の慰安婦が沈みし南シナ海今も夢見る
山梨県 笠井 常資 2002年6月10日
一斉にプリントめくる生徒たちさわさわわわと若葉の音す
香川県 山地 千晶 2002年6月10日
こんなにも静かに咲いて平安な白百合白菊。青空を見る
アメリカ ソーラー泰子 2001年10月4日
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